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よちおの釣り備忘録

室蘭・苫小牧など道南地方で海釣りをしたときの釣果などを書いています。 主にルアー釣りでロックフィッシュ、ヒラメ、サクラマス、青物を狙っています。他にも釣り具の紹介なんかもしたいと思います。

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アニサキス対策の酢、塩、家庭用冷凍庫での冷凍は有効なのか実験してみた

アニサキスは酢、塩で死ぬのか?また、家庭用冷凍庫の温度でも死ぬのか?死ぬなら何時間冷凍すれば良いのか?とアニサキス対策について疑問に思ったことは釣り人ならあると思います。
特にしめ鯖はアニサキスを殺すために酢で締めているから、酢はアニサキスに有効だろうと思っている方も多いはずです。
そこで今回は実際にアニサキスでこれらの対策が有効なのか実験をしてみることにしました。
アニサキスは以前釣った鮭を捌いているときに大量に出てきたため、それを使用します。

実験ということで、ちょっとレポート風になってしまいますが、最後まで読めばしっかりとしたアニサキス対策ができるようになります。お付き合いいただけたらと思います。


※下記の実験結果はあくまで実験結果です。固体差などで結果は変動するため、実験通りにしたのにアニサキスが生きていた、アニサキス症にかかったなどについては一切責任を負えません。




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今回行った実験は以下の3つです。

・酢漬けにしてアニサキスは死ぬかの実験
・塩漬けにしてアニサキスは死ぬかの実験
・家庭用冷凍庫で冷凍してアニサキスは死ぬかの実験

酢漬けにしてアニサキスは死ぬか

実験条件
今回使用した酢はスーパーで普通に購入できる食酢です。酸度は4.2%。
これを小皿にいれて、そこに鮭の切り身から抜き取った活きの良いアニサキスを入れます。
入れた瞬間激しく動くのが観察できました。おそらく酢の酸を嫌がっているのでしょう。あんなにとぐろを巻いておとなしかったアニサキスが、まるで獲物を見つけた蛇のようにうねうね動いています。この状態でしばらく放置します。

30分経過後、小皿を覗いてみるとアニサキスはまだ元気に動き回っています。
さすがに30分では死なないということでさらに30分放置することに。

30分後(アニサキスを酢に漬けてから1時間後)、小皿を覗くとまだ元気に動いています。
このあたりからもしかしたら何時間漬けても死なないんじゃないかと思い始めます。


さらに30分後(計1時間半後)、小皿を覗きますがやはり元気に動き回っています。
さらに30分後(計2時間後)、同じく元気に動きまわっておりここで何時間漬けても死なないような気がする上に、料理をするうえで2時間も大量の酢に漬けるのは現実的ではないので実験を終了しました。


考察
アニサキスは普通の食酢では2時間漬けても死なない上にまだまだ元気であったことから、3,4時間漬けた程度では死滅しないと考えられる。
また、2時間も酢に漬けると基本的に料理はすっぱくて食べられたものではなくなるし、しめ鯖などでは、身の中に潜ることでさらに生存時間を長くできることから、酢ではアニサキスの対策にはならないという結論が得られた。


塩漬けにしてアニサキスは死ぬか

実験条件
酢漬けにしたアニサキスとは別に新たに活きの良いアニサキスを見つけて小皿に乗せ、大量の塩を上からかけ、さらにその上に水を数滴たらして10分放置。
10分後覗いてみると、アニサキスはとぐろを巻いて完全に動かなくなりました。
しかし、念には念をともう30分塩漬けのまま放置します。
30分経過後アニサキスを取り出すととぐろを巻いてまったく動きません。

これは死んでいるのでは?と思ったので確認するため酢に漬けてみることに。
生きているのならば先ほどのように激しく動くはず。
しかし、酢に入れても動きません。一応30分放置してみます。
30分後覗いてみると元気に動き回っています。
死にませんでした。


考察
アニサキスを計40分塩漬けにしてもアニサキスは塩漬けにしている間のみ動かなくなるが、塩から取り出し時間をおけば復活することが分かった。このことから塩はアニサキスの活動を著しく低下させることはできるものの死滅させることはできず、また胃の中で復活しアニサキス症を引き起こす可能性がある。
よって、塩漬けもアニサキス対策にはならないという結論を得た。


家庭用冷凍庫での冷凍によってアニサキスは死ぬか

実験条件
上記の2条件で用いたアニサキスとは別の活きの良いアニサキスを用いて、鮭の刺身を3枚重ねした刺身の上に乗せて家庭用冷凍庫(庫内温度-18℃)で35時間冷凍した。
その後冷蔵庫内(庫内温度4℃前後)で8時間ほどかけてゆっくり解凍した。
解凍後アニサキスを刺身から取り出すとまったく動かない。
このため生死の確認のため、酢に漬けることに。10分経過後ではまったく動かない。
さらに30分経過後でもまったく動かない。
1時間、2時間と酢の中で放置したが動かないことからアニサキスは家庭用冷凍庫内でも死滅したと判断した。


考察
一般にアニサキスは-20℃で24時間以上で死滅すると言われている。今回はそれを踏まえて35時間冷凍しアニサキスが死滅したことを確認できた。このことからアニサキスは家庭用冷凍庫でも死滅させられることが分かる。
しかし、今回の実験ではアニサキスを刺身の表面に乗せて行ったが、実際にはアニサキスが身の奥の方に入り込んでいる可能性も考えられるため、35時間ではやや不安が残る。
よって、丸2日冷凍することで安全に刺身を食べられると考えられる。


その他

今回は他にもなめろうを作りそれを焼いて食べたりもしましたが、なめろうを作る際の包丁二刀流の連続切りをかいくぐって、切られずに原型を保ったままのアニサキスがいました。
これはアニサキス特有の弾力と硬さを併せ持った体によって、なめろうの上から包丁が当たった程度では切られずに済んだと思われます。

アニサキス対策としてなめろうなどがありますが、100%安心できるわけではないということを頭の片隅に入れておかれると良いです。


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まとめ

今回の実験では、
・アニサキスは酢では死なない。
・アニサキスは塩でも死なない。
・アニサキスは家庭用冷凍庫でも死ぬが、温度が高い分長時間冷凍する必要がある。
ということがわかりました。
ここからわかるようにサケ、マス、タラ、サバのようなアニサキスが異常に多い魚の刺身を食べたいときはかならず長時間冷凍しましょうということです。
特にサケは、よく見てアニサキスを取り除けば大丈夫というレベルではないほどにアニサキスがいます。おそらく1匹に30匹ほどいます。絶対に取りこぼしがでるので冷凍しましょう。

さらに、酢に漬けた時の恐ろしい動きを胃の中でもするとなると、誤って食べてしまうとアニサキス症になる確率は高いでしょう。
ちなみに胃は空腹時はpH1の強酸性状態ですが、食べ物を食べるとpH4~5ほどになり、酢よりも酸性は低いです。(pHとは酸性、アルカリ性の強弱を表すもので、数字が小さくなるほど酸性が高く、7で中性を示します。)
アニサキスを魚と一緒に食べてしまうということは、空腹状態ではないため胃の中は酢よりも酸性が低く、アニサキスが酸によって死滅する可能性は極めて低いです。


上記の実験結果はあくまで一例に過ぎません。特に冷凍時間はアニサキスの体力によって上下するため、個体差があります。僕が実験した限りでは35時間の冷凍で死滅しましたが、絶対とは言えませんので、お気を付けください。

上記の実験結果を参考にして、みなさんが安心して美味しく魚を食べられるようになることを願っております。
長くなりましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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